車の定期検査が近づくにつれて、多くの方は見積もりを取るために一括見積サービスや過去に利用した整備店を訪れることでしょう。
特に、ガソリンスタンドや自動車ディーラーで検査の見積もりを依頼する際、タイヤの摩耗が理由で検査に合格しない可能性が指摘されることは珍しくありません。
実際、タイヤの溝の深さが検査基準に満たない場合、合格が難しいことがあります。
おそらく、整備店で検査の見積もりを受けた際に、タイヤ交換を勧められ、やむを得ず交換した経験をお持ちの方もいるでしょう。
ここでは、タイヤの状態が車検に与える影響について詳しく掘り下げ、ご紹介します。
特に検査が近い方は、この情報を参考にしてください。
自動車検査で自分でできる重要なチェックポイント
自動車検査の際、整備士の提案に従い、高額な整備費用を支払うことになった経験はありませんか?
整備店の営業努力を否定するわけではありませんが、検査の前に「何が必要で、何が不要か」を事前に理解しておくことで、無駄な支出を避けることができます。
自分で確認できる項目は多くありますので、ぜひこの情報を参考にしてみてください。
車検時の重要なチェックリスト
●タイヤ検査:ひび割れの酷いタイヤや溝の深さが基準に達していない場合、車検に通らないことがあります。
●ワイパーチェック:切れているワイパーゴムは車検の合格基準を満たさない。
●照明装置の検査:ブレーキランプなどが切れている場合、車検に合格することはできません。
●ブレーキの確認:ブレーキパッドの摩耗状態が基準以下だと車検に通らない可能性があります。
車検で必ずしも必要ではない点検項目
●オイル検査
●バッテリーチェック
●クーラントの確認
オイルやクーラントの交換は、車検時に推奨されることが多いですが、これらを交換しなければ車検に通らないわけではありません。
しかし、普段から点検を怠っている場合、車検時にこれらの交換を行うことが望ましいかもしれません。
カーショップの担当者は、後からのクレームを防ぐため、こうした交換を勧めることがあります。
車検の合格を目指す方は、これらの情報を参考にしてください。
車検前にタイヤの溝の深さをチェックするための重要なポイント
タイヤの状態に関する基準は、「道路運送車両の保安基準」の第9条走行装置等、第3節、第167条に定められています。
タイヤの接地部全幅(ラグ型タイヤでは接地部中心線の4分の1)にわたって、滑り止めのための凹部の深さが1.6mm以上(二輪車及び側車付二輪車は0.8mm以上)であることが求められています。
ナットの緩みやリムの損傷も車検の合格基準を満たさない要因ですが、重要なチェックポイントは溝の深さが1.6mm以上であるかどうかです。
しかし、1.6mmの深さがどのようなものかはすぐには分かりにくいかもしれません。
そこで、タイヤの溝の深さを確認する方法をご紹介します。
スリップサインの確認方法
新品のタイヤは通常、溝の深さが約8mm程度あります。
走行によりタイヤのゴムが摩耗し、溝の深さが1.6mm以下になると、スリップサインが現れます。
このサインは、タイヤの端から端まで橋のように渡る形で出現し、そのタイヤは車検には合格しません。
スリップサインの位置はタイヤメーカーによって異なりますが、タイヤに一箇所でもスリップサインが現れたら、そのタイヤは使用不適合となります。
スリップサインを見つける方法は簡単です。
タイヤの側面にある「三角形の刻印」を探し、その刻印からタイヤの最初の溝に向かって直線上にスリップサインが見られるかを確認します。
この方法でタイヤの溝の深さを簡単にチェックできます。
タイヤの溝の深さが1.6mm以上かどうかを簡単に確認する方法
多くの人にとって「タイヤの溝の深さが1.6mm以下」と聞いても、その具体的なイメージは難しいかもしれません。
1.6mmの溝の深さを持つタイヤは、実質的に溝がほとんどない状態です。
スリップサインは1.6mm以下になると現れますが、1.6mmから2.0mmの溝の深さでも、雨の日などは危険が伴います。
そのため、溝の深さがこの範囲にある場合は、タイヤの交換を検討することをお勧めします。
スリップサインがよく分からない場合は、10円玉を使用する方法があります。
10円玉の「10」の面を溝に入れてみてください。
下のリボンまでの高さが約2mmですので、リボンが隠れる場合はセーフ、リボンが全て見える場合はアウトと考えてください。
どうしても車検を合格させたい場合
スリップサインが出ていたり、タイヤにひどいひび割れがある場合、ユーザー車検でも合格は難しいです。
多くのカーショップでは交換が推奨されるでしょう。
しかし、車検のために10万円以上の費用が必要となり、新しいタイヤへの交換費用がすぐには用意できない方もいるかもしれません。
どうしても車検に合格させたい場合、スタッドレスタイヤを持っている方はそれを一時的に使用することで合格する可能性がありますが、スタッドレスタイヤにもスリップサインが出ていないことが条件です。
スタッドレスタイヤを持っていない場合は、タイヤの交換が唯一の選択肢となります。
まとめ
車検とタイヤの関係についての概要をご紹介しました。
タイヤは車の重要な部分です。
無意味な交換は避けるべきですが、車検時に「このタイヤでは合格しないかもしれない」と言われたら、この記事の内容を参考にしてみてください。