あなたが自動車を所有しているなら、「扁平率」という用語を聞いたことがあるかもしれません。
タイヤに関連するこの用語は、タイヤの側面に書かれた数値群に含まれています。
多くのドライバーは、自動車ショップやガソリンスタンドでこの比率の低さや高さについて聞かされ、その意味を理解せずにタイヤを交換してしまうことがあります。
ここでは、この扁平率について深く掘り下げ、タイヤ選びの際の参考にしていただきます。
タイヤの扁平率とは
扁平率とは、タイヤの断面幅に対する高さの比率を指す数値です。
例えば、「225/45R18」と記されたタイヤでは、「45」がこの比率を示しています。
これは、タイヤが路面に接触する部分に対する側面の高さの比率を意味し、この数値が低いほど、側面の高さが短くなります。
1960年代には、70%から82%の比率が一般的でしたが、現在ではセダンやミニバンの標準タイヤでさえ、45%や50%が一般的で、中には25%の極端に低い比率のタイヤも存在します。
次に車のタイヤをチェックする時、側面に刻印されたこれらの数字を確認してみてください。
扁平率が乗り心地に与える影響
「低扁平率のタイヤを装着した車は乗り心地が悪い」という話を耳にしたことがあるかもしれません。
扁平率が乗り心地にどのように影響するかを解説します。
高扁平率
高扁平率のタイヤとは、以下の比率を持つタイヤのことです。
60、65、70、75、80
これらのタイヤはサイドウォール(側面部分)が厚く、路面からの衝撃をより良く吸収できます。
この衝撃吸収能力が高いことが、快適な乗り心地につながるのです。
また、高扁平率のタイヤは路面との接触面が縦長になるため、転がり抵抗が小さく、燃費向上に寄与すると言われています。
例えば、「145R12」のような軽トラック用タイヤの扁平率は「80%」とされています。
低扁平率
低扁平率のタイヤは、以下の比率を持つタイヤを指します。
55、50、45、40、35、30、25
低扁平率のタイヤは、サイドウォールが狭い一方で、路面との接触面が横に広がります。
これにより、コーナリング性能が向上しますが、サイドウォールの狭さから路面の衝撃を吸収しづらくなり、乗り心地が若干悪くなることがあります。
さらに、低扁平率のタイヤは空気圧不足に気づきにくいため、定期的な空気圧の点検が推奨されます。
扁平率による視覚的な違い
高扁平率と低扁平率のタイヤは見た目に大きな違いがあります。
高扁平率のタイヤではタイヤ自体が目立ち、一方で低扁平率のタイヤではホイールがより際立ちます。
このため、低扁平率タイヤを選ぶドライバーは、ホイールが目立つように純正ホイールからアフターマーケットのホイールへの「インチアップ」を選択することがよくあります。
車のカスタマイズは多くの人にとって憧れであり、ホイールの交換は初心者にも比較的簡単に行える変更点です。
「16インチから18インチへ」や「17インチから18インチへ」といった変更をする際、多くの人は扁平率を重視していません。
インチアップをする際に注意すべき点は以下の通りです。
●タイヤの外径
●ロードインデックス
●タイヤのはみ出しや干渉
タイヤの外径
タイヤの外径は非常に重要です。
外径が異なると、タイヤが一回転するごとの走行距離に違いが生じ、スピードメーターに誤差が出ることがあります。
ロードインデックス
ロードインデックスは、タイヤサイズの末尾にある「数字とアルファベット」で示されます。
これは荷重指数を表し、タイヤが支えることができる最大負荷能力を示します。
タイヤの負荷能力を下げると、パフォーマンスが低下し、タイヤが損傷するリスクが高まります。
タイヤサイズを変更する際は、標準タイヤと比べてロードインデックスを「同等またはそれ以上」にすることが重要です。
はみ出しと干渉
1インチアップの場合は通常問題ありませんが、車種によってはフェンダーからタイヤがはみ出したり、ハンドルを切るとタイヤハウスに干渉することがあります。
「はみ出し」は禁止されています。
フェンダーにぴったり収まるようにしたい場合は、専門のカーショップに相談することをお勧めします。
扁平率に関するまとめ
扁平率についての検討を通じて、この要素がタイヤ選択において重要であることが理解されたでしょう。
乗り心地を優先する場合、高扁平率のタイヤが好ましい選択肢となります。
しかし、特に高扁平率のタイヤを選ぶ必要はなく、車両の純正タイヤサイズに従うのが最良の選択と言えます。
タイヤメーカー各社は、ゴムの硬さや低燃費性能、転がり抵抗に差をつけています。
これらの特性を重視することで、より適切なタイヤ選びが可能になります。
一方で、見た目を重視するなら、低扁平率のタイヤを選択し、適切にインチアップすることを検討してみてはいかがでしょうか。
最終的には、各人のニーズや好みに合わせたタイヤ選択が大切です。