自動車の消耗品には、タイヤやオイルなど多くの種類がありますが、中でも「バッテリー」は重要な部分です。
ガソリンのようになくなれば自動車は動かなくなるのと同じく、バッテリーの機能が停止すると自動車も動かなくなります。
多くの人々が「自動車のバッテリーはいつ交換が必要になるのか」と疑問に思いますが、バッテリーの交換時期を正確に予測するのは困難です。
それでも、いくつかの方法でバッテリーの交換時期を予測することは可能です。
この記事では、バッテリーの交換時期に関する情報を提供しますので、読んだ後にご自身の自動車のバッテリーを点検すると良いでしょう。
バッテリーの基礎知識
まずは、バッテリーの基本的な構造と機能について知ることが重要です。
バッテリーは、次のような重要な役割を果たしています。
エンジンの始動
イグニッションキーをオンにすると、バッテリーからセルモーターへ電流が流れ、エンジンが始動します。
エンジンをスタートさせる際には、バッテリーの電力が最も消費されます。
車内電源
ヘッドライト、カーナビゲーション、エアコン、内部照明などの電源としてバッテリーが利用されます。
エンジンが停止した場合、バッテリーだけで全ての電力を供給します。
ハイブリッド車では、運転中に電力を使用しますが、これはメインバッテリーとは別の「補助バッテリー」によって行われます。
家庭でできる!バッテリーの交換時期を見極める4つの方法
前述のとおり、バッテリーの交換時期を正確に知ることは難しいです。
環境や使用頻度によって交換時期が異なるため、具体的な期限を設定することはできません。
しかし、バッテリーの交換時期が近づいているかどうかを判断する方法はあります。
エンジンが始動しないなどのトラブルを避けるためにも、以下の点を確認しましょう。
エンジン始動時の様子
以前も触れましたが、エンジン始動時にはバッテリーの電力を最も多く使用します。
そのため、エンジンの始動時の様子を観察することで、バッテリーの交換時期を予測することができます。
例えば、いつもと違うエンジンの始動が見られたり、イグニッションを回してからエンジンがかかるまで時間がかかる場合は、「バッテリーの弱り=交換時期の近づき」を意味しています。
エンジンが始動すれば運転できますが、このような症状が現れた場合は、バッテリーの交換を早めに行うことをお勧めします。
バッテリー液の状態
バッテリーには透明な液体が入っています。
このバッテリー液は純精製水で、通常は無色透明です。
バッテリーの横から直接見ることはできないので、エンジンを止めてセル部分(蓋)を開け、中を確認します。
●液体が濁っている場合
バッテリー液が濁っている場合、バッテリーの劣化が進んでいる可能性があります。
この場合も、早めの交換をおすすめします。
上から確認する際には、顔を近づけすぎないようにしましょう。
使用年数によるバッテリーの交換時期判断
一般的に、自動車のバッテリーは「2年から4年」が交換時期とされていますが、使用頻度や環境によって交換時期は変わります。
購入から「3年経過」した場合、バッテリーの交換時期が近づいている可能性があります。
バッテリーの製造年月日は、通常、バッテリーの上部に記載されていますので、これを確認しましょう。
製造年月日が劣化で消えてしまうこともあるため、写真を撮って保存すると便利です。
多くのバッテリーメーカーが「36ヶ月補償」や「10万km」の保証をうたっていることも、およそ3年が標準の使用期間であることを示唆しています。
バッテリーの比重を測定する
バッテリーの比重を測定することも、その交換時期を判断するのに役立ちます。
これには「比重計」という専用の道具が必要です。
比重とは、バッテリーの充電状態を示す数値です。
比重を測定する際には、以下の点を確認します。
・比重の数値
・バッテリー液の減り具合
・バッテリー液の濁り具合
比重計の数値が悪い場合、充電状態が悪いことを意味しますし、バッテリー液が減っている場合もバッテリー交換のサインとなります。
自分で測定できない場合は、ガソリンスタンドやディーラーで測定を依頼するのも良いでしょう。
ただし、低い比重が出た場合でも、すぐにバッテリー交換を決定するのではなく、適切な判断をすることが大切です。
バッテリーの交換時期を短くする3つの原因
前述の通り、バッテリーは通常「2年から4年」の交換時期ですが、使用状況によってはこの期間を上回ることも、下回ることもあります。
バッテリーの交換時期を短くしてしまう要因を知ることで、その使用期間を延ばすことが可能です。
ライトの使用によるバッテリーの交換時期短縮
バッテリーの交換時期を短くする最大の要因は、ライト(スモールライトや室内灯)のつけっぱなしです。
エンジンを切った状態でライトをつけたままにしておくと、バッテリーは持っている電力を続けざまに放電し、「バッテリー上がり」の状態になりがちです。
バッテリーが上がるとエンジンはかかりません。
エンジンをかけるにはバッテリーの交換、もしくはブースターケーブルを使ってのジャンピングやロードサービスの利用が必要になります。
ライトのつけ忘れはバッテリーの交換時期を短くするので、エンジンを切ったら以下の点を再確認することが大切です。
・スモールライトやヘッドライトの状態(特にオートライト機能に過度に頼らない)
・室内灯の状態(特に昼間は見落としがちなので注意が必要)
これらの簡単なチェックを行うことで、バッテリーの無駄な消耗を防ぎ、長持ちさせることができます。
バッテリーのメンテナンスは、自動車のパフォーマンスを維持するためにも重要ですので、日常的に点検を行うことをお勧めします。
スイッチ類の確認とバッテリー消耗の防止
自動車には数多くのスイッチがあり、これらの大部分がバッテリーの電力を利用しています。
エアコンスイッチのON状態や、エンジンをかける際に室内灯が点灯していると、電力がセルモーターとその他の電子機器に分散されてしまい、バッテリーの消耗が進む可能性があります。
次のようなスイッチをOFFに保つことで、バッテリーの消耗を抑えることができます。
・エアコンスイッチをOFFにする
・テレビ・ラジオの電源をOFFにする
・室内灯をOFFにする
これらの簡単な対策を取ることで、バッテリー交換時期を延ばす助けになります。
バッテリーは気候に敏感
バッテリーは極端な気温に弱いことで知られています。
特に寒い季節は、バッテリーが弱っている場合に上がる可能性が高くなります。
1月や2月はバッテリー上がりが最も多い月であり、これは冬季の寒さが影響していることが考えられます。
バッテリーは一般的に外気温が20℃~25℃で最適な性能を発揮します。
雪の多い地域にお住まいの方は、冬が来る前にバッテリーの点検をお勧めします。
まとめ
この記事を通して、バッテリーの交換時期とその管理方法についてお伝えしました。
バッテリーは車の重要な消耗品であり、適切な管理と定期的な点検によって、交換時期を延ばすことが可能です。
バッテリーが交換時期を迎えると、突然エンジンが止まったり、すぐにエンジンがかからなくなるわけではありませんが、約3年の使用を目安に交換時期を検討すると良いでしょう。
定期的なメンテナンスと適切な使用で、バッテリーの状態を保つことが重要です。