多くの方が気づいていないかもしれませんが、車のオートライトシステムは現在、義務付けられています。
2020年4月以降に市場に出された新型乗用車には、このシステムの装備が必要とされています。
多くの最新車種にこの機能が標準装備されていますが、まだ利用経験がない方や、この機能についてよく知らない方もいるかもしれません。
このオートライトシステムの導入の背景や目的について、今回は詳しく説明します。
オートライトシステムとは何か?
オートライトシステムとは、車が外の光の状況を検知し、ヘッドライトを自動で点灯または消灯する機能です。
このシステムは特に、薄暮時など視認性が低下しやすい状況で役立ちます。
暗くなると感知し自動で点灯するため、夜間やトンネル内での運転が便利になります。
エンジンを切るとライトが消えるので、ライトの消し忘れの心配もありません。
このため、日中の運転やトンネルを通過する際などにも、安全かつ便利に利用できます。
オートライトシステムの導入理由
オートライトシステムがなぜ必須になったのでしょうか?
特に夕方の時間帯(約16時~17時)は、昼間と比較して自動車と歩行者の間に危険が高いことが判明しています。
2020年4月から新車には前照灯の自動点灯システム(オートライト)の装備が義務付けられました。
さらに、11人以上の乗車定員を有する乗用車(バス)や総重量3.5トンを超えるトラックに関しては、新型車が2021年4月から、既存車が2023年10月からこの規定に従うこととなりました。
ヘッドライトの点灯タイミングは個人によって異なり、危険が多い夕暮れ時にも点灯していない車が見られることがあります。
このため、ヘッドライトの点け忘れや消し忘れを防ぎ、夕暮れ時の危険を減少させるためにオートライトシステムの導入が必要とされました。
オートライトの便利な特徴と注意点
便利な特徴
以下はオートライトの便利な特徴です。
- ライトの点け忘れ防止による安全性の向上。
- ライトの消し忘れ防止によるバッテリーの保護。
オートライトの最大の利点は、何といってもライトの点け忘れと消し忘れを防げることです。
特にトンネルなどでの運転では、自動的に点灯する機能が大変便利です。
オートライトの不便な点
オートライトには以下のような不便な点も存在します。
- 通常の消灯が困難で、「思いやり消灯」ができないことがある。
- 消灯に時間がかかることがある。
- 駐車場などでエンジンを切らない限りライトを消すことができない。
例えば、車中泊をする際には、夜間にオートライトが点灯し続けると、他の利用者に迷惑をかけることがあります。
オートライト機能について知っておくべきこと
ヘッドライトを消す方法が限られている
多くの新車に搭載されているオートライトは、手動でオフにしてもスイッチが「AUTO」位置に戻るタイプが一般的です。
走行中にこの機能をオフにすることはできず、暗い環境では自動的にヘッドライトが点灯します。
停車中にヘッドライトを消す場合、従来はスイッチをオフにするだけで済みましたが、オートライトの場合、消灯スイッチがない車種が多く、消すことができないことがあります。
ただし、現在は停車中にライトを消せるスイッチが装備された車種も増えています。
ヘッドライトが点灯する周囲の明るさの基準
以前のオートライトは周囲の明るさに基づいてヘッドライトが点灯する基準が一定ではありませんでした。
しかし、今日では暗くなり始めたら早めにライトを点灯させることが安全性を高めるという考えが浸透しています。
オートライトの義務化に伴い、周囲の明るさが「1,000ルクス未満」になった時にヘッドライトを点灯させる基準が設定されました。
1,000ルクスとは、日没時に屋外が暗くなり、無灯火の車両がブレーキを踏んだ時にブレーキランプが目立つようになるレベルです。